子どもの算数ボードゲーム:作り方、遊び方、えらび方

数字つきのマスが一直線にならんだ、かんたんなすごろくは、小さな子の算数ボードゲームに向いています。サイコロをふり、数を声に出し、自分のマスから数え足します。数分で手作りでき、成長に合わせて、サイコロ2つのたし算、逆走、九九などにルールを変えられます。

紙とペンとサイコロを1つ用意してください。紙にマスを一直線に描き、1から順に数字を書いて、今日お子さんと短いレースを1回遊びましょう。この手作りのボードには、研究で使われたゲームの大事な特徴があります。数字つきのマスが一直線にならんでいることです。このガイドでは、作り方、成長に合わせたルールの変え方、箱入りのゲームを買う前に確認することを紹介します。

それぞれのアイデアには、向いている年齢を書いています。2〜3歳なら、幼児の算数あそびがもっと小さな一歩から始められます。年齢はあくまで目安です。お子さんが楽しめるところから始めて、ゲームが簡単に感じられたら次へ進みましょう。

ボードゲームは、なぜ算数に役立つの?

数字つきのマスのすごろくは、3つのことを同時に結びつけます。口に出す数、さわるマス、道のどこまで来たか、です。大きな数ほどスタートから遠くにあります。小さな子にとっては、数が増えていく様子がそのまま見える絵になります。

研究者たちは、まさにこの点を確かめました。Robert SieglerとGeetha Ramaniの研究では、低所得世帯の幼児が、数字つきのかんたんなすごろくを、15分ずつ4回遊びました。その後、数の見積もりで、より恵まれた世帯の子との差がなくなりました。数字ではなく色のマスで遊んだ子には、同じ効果はありませんでした。

2つ目の研究では、合計で1時間ほど遊んだ幼児(平均年齢5.4歳)が、4つの課題で伸びました。数を比べる、数直線に数を置く、数える、数字を読む、の4つです。その効果は9週間後も残っていました。色のすごろくで遊んだ子は、どれも伸びませんでした。

遊び方の細かい点も大切です。Elida LaskiとRobert Sieglerの研究では、年長児が0から100のすごろくを遊びました。自分のいるマスから数え足した子は、数直線の見積もり、数字の読み、数え足しが上達しました。

毎回1から数え直した子の学びは、かなり少なくなりました。ですから、自分のマスから数え足す習慣は教える価値があります。これは後でまたふれます。

これらの研究は、1つのかんたんな数字つきゲームを短い時間で試したものです。どんなボードゲームでも算数が身につくわけではありません。道に数字がないゲームは別物です。だまって駒を動かすだけだったり、ルーレットがすべてを決めて誰も数を言わなかったりすると、ほぼ運だけのゲームで、数の練習にはあまりなりません。

算数に向いたボードゲームとは?

特別な商品はいりません。自分で描くときも買うときも、次の特徴を見てください。

  • 数字つきの一本道。 マスが一列にならび、順に番号がついていて、各マスに数字が印刷されています。一直線なら、大きな数ほど先にあるとわかりやすくなります。スタートにもどる輪の形の道は、これが見えにくいので、一直線か、くねくね曲がっても数が増え続ける道を選びましょう。
  • 1つ数えるごとに1マス。 子どもは、言った数と同じ数だけ1マスずつ進みます。
  • 数を声に出す。 駒を動かしながら1つずつ数を言うと、数とマスが結びつきます。
  • 短いゲーム。 3〜5歳は10分ほど、大きい子は、もっとやりたがれば少し長くてもかまいません。上の最初の研究では、15分を4回遊んでいます。長い午後を1回より、1〜2週間に短いゲームを何回か、がおすすめです。
  • 少しの運。 サイコロがあれば、小さい子が年上のきょうだいや大人にときどき勝てて、遊びが続きます。

数字のボードを家で作る

1〜10か1〜20の道(3〜5歳)。 紙に10マスを横一列に描きます。20マスにしたいときは、2枚の紙をつなぎます。数字を大きく、1マスに1つ、左から右へ書きます。1の前に「スタート」のマスを足します。この年齢には、数字のサイコロより点のサイコロのほうが向いています。点を数えることも、ゲームの一部だからです。

駒には、硬貨、ボタン、小さなおもちゃが使えます。

1〜100のマス目(5〜8歳)。 10×10のマス目を描き、左上の1から、左から右へ、1行ずつ数字を書きます。1行がちょうど10ずつになるので、10、20、30は右端の列にそろい、7、17、27は同じ列にならびます。それぞれの列に何か気づくことはないか、聞いてみましょう。きれいな見本がほしいときは、同じ形のマス目を使った印刷できる九九表も参考にしてください。

自分だけのボードに(5歳から)。 子どもに、いくつかのマスを「ボーナス」(もう1マス進む)や「すべり台」(2マスもどる)として色をぬってもらいます。算数が見えるように、数字はすべてのマスに残しておきましょう。

年齢別のルールの変え方

同じボードで、数えることから九九まで進めます。ルールは一度に1つずつ変えましょう。

年齢ボードルール練習すること
3〜4歳1〜10サイコロをふり、点を数えて、1つにつき1マス進み、マスの数字を言う物を数える、10までの数の順
4〜5歳1〜20進む前に、いまいるマスの数を言い、そこから数え足す数え足し、20までの数字を読む
5〜6歳1〜20か1〜100先に止まるマスを予想して、数えて確かめる小さな数を頭の中でたす
6〜7歳1〜100サイコロ2つをふって、たしてから進む2つの数のたし算、12までの合計
6〜8歳1〜100100からスタートして、1までもどる数えもどし、ひき算
7〜8歳1〜10010のカード:10マス進む。つまり1行まっすぐ下10をたす、10をひく
7〜10歳1〜100サイコロの目に今週の段をかけ、合っていればその数だけ進む九九

聞くポイントがわかるように、いくつか例を見てみましょう。

  • 7のマスにいて5が出たら、お子さんは「8、9、10、11、12」と言って、12に止まります。
  • 38のマスで6が出たら、数は10をまたぎます。「39、40、41、42、43、44」。10をまたぐところで子どもがゆっくりになっても、待ってあげましょう。
  • サイコロ2つでは、合計は2から12までです。2つのサイコロの出方36通りのうち、6通りが7になるので、7がいちばん出やすい合計です。大きい子は、正の字などで記録して、これを見つけるのが好きです。
  • 10のカードのルールでは、47に10をたして57、つまり1行まっすぐ下です。63から1行上にもどると53になります。
  • 3の段の九九バージョンで6が出たら、3×6で、18マス進みます。

サイコロ1つなら、1〜20のレースは最低4回、1〜100のレースは最低17回のサイコロが必要です。サイコロ2つなら、1〜100のレースは最低9回まで短くなります。

やってみよう:すごろくレース

この小さなゲームでは、自分のマスから数え足すルールを使います。1〜20の道か1〜100のマス目を選び、サイコロをふって、駒が止まるマスをタップします。まちがえたら、Pipがヒントをくれて、マスが1つずつ光るので、いまのマスから数え足せます。1〜100のマス目では、サイコロ2つに切りかえて、たし算もできます。

1〜20の道は4〜6歳ごろ、1〜100のマス目は6〜8歳ごろに向いています。

すごろくレース

サイコロをふろう。いまのマスから数え足して、止まるマスを見つけよう。

フクロウのPip

「ふる」をおして、レースをはじめよう!

スタートにいます

算数が身につく遊び方

算数が起こるのは、ゲームのまわりの会話です。次の習慣が役立ちます。

  • 1からではなく、数え足す(4歳から)。 23のマスにいて4が出たら、「24、25、26、27」と言います。
  • スタートとゴールを言う。 「いま12。3が出た。15になった」。この言葉が、12 + 3 = 15というたし算そのものです。
  • 教えずに、聞く。 「どこに止まると思う?」と聞くと、子どもは予想して、あとで確かめられます。
  • 自分の番も声に出す。 大人の数え方が子どもに伝わります。ゆっくり数えて、1マスずつさわりましょう。
  • まちがいは、直さずに確かめる。 「ちがうよ」ではなく、「いっしょに数えてみよう」と言います。
  • 楽しいうちにやめる。 泣きながら2回遊ぶより、笑顔で1回終わるほうがいいです。

サイコロやトランプを使った、ボード以外のアイデアは、無料の算数ゲームのリストをどうぞ。5〜6歳なら、年長の算数ゲームが身につく力別にならんでいます。

市販のゲームを選ぶときのポイント

箱入りのゲームなら、描く手間が省けます。箱やメーカーのページで、次の点を確認しましょう。

  • 道に数字がついているか。 昔ながらのレースゲームの多くは数字つきのマスですが、色や絵だけのものもあります。数の感覚を育てるには、数字が大切です。
  • 1回の番で何をするか。 子どもが毎回実際にすることを見ます。数える、たす、硬貨で払う、かける、などです。それがそのゲームで練習する力です。
  • 対象年齢は何歳か。 お子さんに合わせて、迷ったらやさしいほうを選びましょう。
  • 1回は何分か。 20分以内なら、平日の夜にも入れやすいです。
  • どのタイプか。 メーカーではなく私たちの大まかな目安です。レースの道は、おもに数える練習で、3〜6歳ごろ向け。集める、硬貨で払うゲームはたし算の練習で、5〜8歳ごろ。数字のビンゴは数字を読む練習で、4〜7歳ごろ。式や積を組み立てるゲームは7〜10歳ごろ向けです。
  • アレンジできるか。 サイコロを2つにする、道を短くする、合計を声に出すルールを足す、などができるゲームを探しましょう。

4〜7歳には、昔ながらのヘビとはしごのゲーム(Snakes and Ladders、アメリカではChutes and Ladders)が向いています。すべてのマスに数字があるので、子どもが数を声に出せば役立ちます。行がジグザグにつながっているので、次の数字がどこにあるかを指さして教えましょう。九九には、1〜100の手作りボードにかけ算のルールを足すのが、お金もかからず、九九のプリントと合わせれば練習も増やせます。九九を始めるときは、九九のおぼえ方の記事で、覚える順番を紹介しています。

アプリはどこで役立つ?

ボードゲームが先です。いっしょにすわって、話して、マスにさわれるからです。アプリは、忙しい日に数分だけ練習を足すのに使えます。広告がなく、1回が短いものを選びましょう。

私たちのアプリMath Learnerは、3〜10歳向けです。「数」のワールドでは、数える、数と量を合わせる、次の数、どちらが大きいかを練習し、たし算、ひき算、かけ算、わり算のワールドが続きます。各レベルは8問で、次のレベルを開くには80パーセント以上の正解が必要です。各ワールドの最初の15レベルは無料で、レッスンは1日1回です。

何を足すとしても、いっしょにすわって数えられるときは、ボードゲームを残しておきましょう。

保護者からよくある質問

ボードゲームは、本当に算数に役立ちますか?

数字つきのかんたんなすごろくは役立つ可能性があります。RamaniとSieglerの研究では、低所得世帯の幼児が、数字つきのすごろくを合計で1時間ほど遊ぶと、数の比べ方、数え方、数字の読み方、数直線での位置づけが上達しました。色のマスで遊んだ子は、どれも伸びませんでした。

幼児に向いた算数ボードゲームは?

10〜20マスの数字つきの一本道と、サイコロ1つで十分です。サイコロをふって点を数え、1つ数えるごとに1マス進み、マスの数字を声に出します。1回は10分ほどにして、サイコロは数字ではなく点のものを使いましょう。

算数ボードゲームを家で作るには?

紙にマスを一列に描き、順に数字を書いて、スタートとゴールを足します。駒は硬貨やおもちゃ、サイコロは普通のものでOKです。大きい子には、1から100までの10×10のマス目を作ると、10の位が各列にそろいます。

ヘビとはしごのゲームは算数に役立ちますか?

マスが順に番号づけされていて、1マスずつ進むので、役立つ可能性があります。算数になるのは、進みながら数を声に出すときです。だまってマスをたたくだけなら、スタートのマスと止まったマスの数を言ってもらいましょう。

九九に役立つボードゲームは?

7〜10歳には、1回ごとに積(かけ算の答え)を考えるすごろくがおすすめです。たとえば、サイコロの目に練習中の段をかけて、答えが合っていれば、その数だけ進みます。かけ算を使った市販のゲームもあります。箱の対象年齢を確認してください。

参考資料

  1. Siegler and Ramani (2008). Playing linear numerical board games promotes low-income children's numerical development. Developmental Science.
  2. Ramani and Siegler (2008). Promoting broad and stable improvements in low-income children's numerical knowledge through playing number board games. Child Development.
  3. Laski and Siegler (2014). Learning from number board games: You learn what you encode. Developmental Psychology.

フクロウのPipと練習しよう

Math Learnerは、数える、なぞる、九九を、短いゲームにします。各ワールドの最初の15レベルは無料です。

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