数の合成・分解とは?意味と、おうちでの教え方

数の合成・分解とは、1つの数を2つの部分に分けて考えることです。全体を上の丸に書き、下の2つの丸に部分を書きます。10は7と3に分けられます。たし算とひき算がつながっていると見えてきます。まず物を使って5までの数から始め、10、20へ進みましょう。

ボタンやレーズンなど、小さな物を5つとコップを用意します。お子さんが目をそらしている間に、いくつかをコップの下に隠します。残りを見せて、「隠れているのはいくつ?」と聞いてみましょう。5を「見えている数」と「コップの下の数」に分けること。これが数の合成・分解です。

ここで紹介するのは、おおよそ年長から小学1年生にあたる5〜7歳向けの内容です。年齢はあくまで目安です。ここに来る時期は子どもによってちがい、それでかまいません。

数の合成・分解とは?

数の合成・分解とは、1つの数を2つの部分に分けて考えることです。大きいほうの数が全体、それをつくる2つの小さい数が部分です。

よく、3つの丸で描きます。全体を上の丸に書き、そこから2本の線を下の2つの丸にのばして、部分を1つずつ書きます。

10なら、上に10、下に7と3を書きます。読み方は「7と3で10」です。

日本の学校では、「数の合成・分解」と呼ぶほか、「10のまとまり」「10の補数」「たして10になる数」と言うこともあります。たし算の筆算では、数を分けて書く「さくらんぼ計算」も同じ考え方です。海外の本では number bond(ナンバーボンド)や part-part-whole(部分と全体)と呼ばれ、number partner や number pair という言い方も見かけます。

アメリカのコモン・コア(共通基礎基準)のkindergartenの演算の基準(K.OA.A.3)では、10までの数を、物や絵を使って2つに分ける方法を複数見つけ、それぞれを絵や式で記録することを求めています。例は 5 = 2 + 3 と 5 = 4 + 1 です。名前こそちがえ、数の合成・分解そのものです。

なぜ数の合成・分解は大切なの?

数の合成・分解は、たし算とひき算を1つの図にまとめます。7と3で10なら、10から3をとると7が残ります。これが見える子は、ひき算を「同じ関係を逆から読んだもの」と考えられます。

この関係は、小さな子には自然にはわかりません。6〜7歳の44人を調べたAnn Dowkerの研究では、たし算とひき算のつながり(7 + 3 = 10なら、10 - 3は?)を使うことが、近道の中でも特にむずかしいものの1つでした。だから、お子さんにはっきり見せる価値があります。

同じ組み合わせは、10を超える計算にも役立ちます。grade 1の基準(1.OA.C.6)は、「10をつくる」を方法の1つとして挙げ、8 + 6 = 8 + 2 + 4 = 10 + 4 = 14 という例を示しています。8と2で10だと知っていれば、この動きはずっと楽になります。

5の分解と10の分解

まずは5から。片手に収まる小ささです。5の分け方は6通りあります。0と5、1と4、2と3、3と2、4と1、5と0です。

次は10へ。10の分解を、両方の順番ですべて並べると、こうなります。

全体部分部分式
100100 + 10 = 10
10191 + 9 = 10
10282 + 8 = 10
10373 + 7 = 10
10464 + 6 = 10
10555 + 5 = 10
10646 + 4 = 10
10737 + 3 = 10
10828 + 2 = 10
10919 + 1 = 10
1010010 + 0 = 10

行は11ありますが、ちがう組み合わせは6組だけです。3と7は、7と3と同じ組だからです。このことは早めに伝えましょう。5と5は、同じ数に分ける唯一の組です。しくみも見つけやすく、一方の部分が1増えると、もう一方は1減ります。

kindergartenの基準(K.OA.A.4)では、1から9までのどの数についても、合わせて10になる数を見つけることを求めています。次の行(K.OA.A.5)は、5までのたし算とひき算をすばやくすることなので、5から始める理由がもう1つ増えます。

数の合成・分解は、どう順番に教えるの?

さわれる物から、絵、数字へ進みます。各段階は数日かかることも数週間かかることもあります。楽になるまで、同じ段階にとどまりましょう。

  1. 本物の物を使う(5歳〜)。 おはじきを5つか6つ用意します。2つの山に分けて、見えるままを言います。「4と2で6」。混ぜて、別の分け方をします。全部の数は物を1つずつ数えて出してもかまいません。この段階ではそれでよいのです。
  2. 指とテンフレーム(5〜6歳)。 10本の指を立てて、いくつか折ります。「7本立ってるね。じゃあ、折れているのは?」テンフレームは、5マスが2段の箱です。マスのいくつかにおはじきを置いて、空いているマスはいくつか聞きます。
  3. 絵にかく(5〜6歳)。 3つの丸をかいて、中に点をかきます。部分の点は、お子さんにかいてもらいます。
  4. 丸に数字を入れる(6〜7歳)。 全体と部分の1つを書き、もう1つの丸は空けて、お子さんに書いてもらいます。
  5. すぐ答える(6〜7歳)。 声に出して聞きます。「7と何で10?」1から数えずに答えが出たら、成功と考えましょう。

空ける丸は、ときどき変えます。全体が空のときもあれば、部分が空のときもあります。お子さんが下の丸ばかり埋めているなら、ときどき全体を隠して、いつも同じ形の問題に見えないようにしましょう。

おうちでできる合成・分解ゲーム5つ

数分でできて、どこの家にもある物で遊べます。年長向け算数ゲームの記事には、5〜6歳向けのアイデアがもっとあります。

  • 2つのコップ(5〜6歳)。 冒頭のコップ遊びを大きくしたものです。10個のおはじきを2つのコップの下に分けて入れます。一方を持ち上げて、もう一方の下にいくつあるか聞きます。最初のコップの下が6なら、もう一方は4です。持ち上げて確かめましょう。
  • ふってこぼそう(5〜6歳)。 豆5つの片面に色をぬるか、両面で色がちがうおはじきを使います。コップの中でふって、こぼします。分かれ方を言いましょう。「赤3つと白2つで5」。5つのおはじきなら、赤3白2と赤2白3を別と数えると、分け方は6通りです。
  • ブロックの電車(5〜7歳)。 ブロックを10個つなげて電車にします。背中の後ろで2つに折り、片方を見せて、隠れているほうの長さを聞きます。
  • カードで10つくり(6〜7歳)。 1から9までのカードを使い、何枚か表向きに並べます。順番に、4と6のように、合わせて10になる2枚を見つけます。ルールの全部は子ども向け算数ゲームの一覧にあります。
  • おやつの合成・分解(5〜7歳)。 「ぶどうが8つあるよ。3つ食べたら、残りはいくつ?」次に逆から聞きます。「3と何で8?」

ここでも遊べます。下のゲームでは、丸が1つ空いていて、お子さんが隠れた数を選びます。点ボタンを押すと全体が点で表示され、すき間を数えられます。答えるたびに、その合成・分解から作れる式が表示されます。

数の合成・分解なかよし

数の合成・分解は、全体を2つの部分に分けて考えることです。かくれている数を見つけましょう。

フクロウのPip

はてなマークのうしろに、どの数がかくれているかな?

0問中0問
5?3

まずは「10まで」から始め、10の組み合わせが楽になったら「20をつくろう」に進みましょう。

10の分解から20の分解へ

20の分解は6〜7歳(grade 1)ごろに出てくることが多く、10の分解からそのままつながります。6と4で10なら、16と4で20です。16は10が1つと1が6つで、4が2つめの10を満たします。13と7、18と2、15と5も、同じしくみです。

テンフレームを2つ使うか、ブロック20個を10個ずつ2つの電車にして見せます。1つめを全部埋め、次のフレームを6マス埋めます。空いたマスが、まだ足りない部分です。

20になる組み合わせは、0と20から10と10まで、全部で11組あります。一度に全部を練習する必要はありません。週に1組ずつで十分です。

10の分解を知っていると、10をまたぐ計算でも役に立ちます。9 + 5で考えてみましょう。9はあと1で10になるので、5を1と4に分けます。9 + 1 = 10、次に10 + 4 = 14。grade 1の基準にある「10をつくる」方法で、10の分解を知っていることが土台になります。日本の「さくらんぼ計算」も、この「10をつくる」動きを図にしたものです。

数の合成・分解からひき算へ

1つの合成・分解から、式が4つ作れます。この4つのセットを、fact family(たし算とひき算の仲間)と呼ぶことがあります。10の分解に慣れた6〜7歳に向いています。10、7、3の組み合わせからは、次の式ができます。

  • 7 + 3 = 10
  • 3 + 7 = 10
  • 10 - 7 = 3
  • 10 - 3 = 7

grade 1の基準(1.OA.B.4)は、ひき算をこう説明します。10 - 8を求めるには、8に足して10になる数を見つけます。その数は2です。8と2の組み合わせを知っている子は、すでに答えを持っています。

同じ組み合わせを、1回の会話で4通りに聞いてみましょう。「7と3で10だよね。じゃあ、10から3をとったら?」少し待って、お子さんに見つけさせます。

Dowkerの研究は、この関係が6〜7歳にはむずかしいと示しています。何度も戻ってくるつもりで進めましょう。

合成・分解のよくあるつまずきと直し方

  • 毎回1から数える。 10個の点を全部数えて、すき間を出しています。答えは出ますが遅くなります。わかっている部分を手でかくし、すき間だけ数えます。慣れたら、数える前に答えを言ってみましょう。
  • 0を忘れる。 「5と5以外で5はできない」。できます、5と0です。ときどきおはじきを全部コップの下に隠して、見えている数を聞いてみましょう。
  • 全体と部分の取りちがい。 10が全体なのに、10と7をたしてしまいます。上の丸を指さして、「これは大きい数?それとも、その一部?」と聞きます。図をかくときは、全体の丸を大きくするのも手です。
  • 7と3と3と7を別の関係と思う。 ブロックの電車の向きを変えます。同じ電車だから、同じ組み合わせです。
  • 当てずっぽう。 当てずっぽうが始まったら、課題が先に進みすぎたのかもしれません。物かテンフレームに1段階戻って、数日続けます。気楽に進め、お子さんができた問題で終わりにしましょう。

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まとめ

数の合成・分解は、2つの部分と1つの全体です。まず本物の物と5までの数から始め、指とテンフレームで10へ、2つのフレームを並べて20へ進みます。1つの組み合わせを4通りに聞き、当てずっぽうが出たら1段階戻りましょう。少し競争を加えた、盤を使った練習には、子ども向けボードゲーム算数の記事をどうぞ。

保護者からよくある質問

10の合成・分解には、どんな組み合わせがありますか?

組み合わせは6組です。0と10、1と9、2と8、3と7、4と6、5と5。3と7と7と3を別と数えると、10の分け方は11通りになります。1組覚えれば、順番を入れ替えた組もわかります。

数の合成・分解は何歳ごろから学びますか?

5〜6歳ごろに出会う子が多いようです。アメリカのコモン・コア(共通基礎基準)では、kindergarten(日本の年長にあたる学年)で10までの数を2つに分け、合わせて10になる数を見つけます。grade 1(小学1年生にあたる学年)では20までに広げます。あくまで目安で、早い子も遅い子もいます。

数の合成・分解と、fact family(たし算とひき算の仲間)は同じですか?

合成・分解は、10、7、3のように部分と全体を示す図です。fact familyは、そこから作れる4つの式のことです。7 + 3 = 10、3 + 7 = 10、10 - 7 = 3、10 - 3 = 7。5と5のように部分が同じ数なら、式は2つだけです。

合成・分解を見つけるとき、指を使ってもいいですか?

はい、はじめはかまいません。両手で10本の指があるので、10の組み合わせにぴったりです。慣れてきたら、1本ずつ数えずに指を見るだけにして、そのうち頭の中で思い浮かべるようにしましょう。卒業したいのは、毎回1から数える習慣です。

合成・分解の練習は、どのくらいの時間がいいですか?

数分で十分です。週に2、3回の短いゲームや、おやつの時間のひと問いなら気軽に続きます。疲れたり嫌がったりしたら、やめて別の日にしましょう。1つの数を決めて、すらすら言えるまでそこにとどまります。

参考資料

  1. Common Core State Standards: Kindergarten, Operations and Algebraic Thinking(コモン・コア州共通基礎基準:kindergarten、演算と代数的思考)
  2. Common Core State Standards: Grade 1, Operations and Algebraic Thinking(コモン・コア州共通基礎基準:grade 1、演算と代数的思考)
  3. Dowker (2014). Young children's use of derived fact strategies for addition and subtraction. Frontiers in Human Neuroscience. doi:10.3389/fnhum.2013.00924

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